ロボット・内視鏡外科センター
ロボット・内視鏡外科センターは、当院の各診療科の技術を集約し低侵襲手術であるロボット・内視鏡外科手術を確立し、安全に手術を施行することでがん治療の更なる発展を目標として設立されました。また、ロボット手術の普及のために、教育施設として後進の指導、育成を行ってまいります。
当センターは患者さまの状態、疾患にあわせた手術を検討・ご提案し、安全で最新最適な手術を行うことが最大の目的です。ロボット手術が適応かどうかを含め、治療の選択肢、それぞれのメリット・デメリットをご説明することが可能ですので、
「ロボット手術の適応なのだろうか」
「手術についてもっと詳しく知りたい」
「ほかに治療の選択肢はないか」
などございましたら、当センターに気軽にご相談ください。
- 婦人科
- 食道がん
- 胃がん
- 直腸がん
- 結腸がん
- 肝胆膵
- 肺がん
- 縦隔腫瘍
- 咽頭がん
- 泌尿器
センター長からのご挨拶

ロボット手術の歴史は浅く、日本においては保険適応となる疾患、手術が限られるうえに、まだまだ施行可能な施設、経験豊富な外科医の数が少ないのが現状です。しかし、患者様にとっても医療従事者側にとってもロボットの有用性は今後さらに明らかにされ、適応疾患の拡大が進んでいくことが予想されます。
当院は早くからロボット手術に取り組んできたため、全国有数のロボット手術経験数をすでに有しています。今後もこれまでの経験を活かし、センターとして経験豊富な医師、スタッフにより患者様に安心して手術を受けていただける環境をご提供してまいります。
また、私自身、ロボット外科手術は従来の手術の延長ではなく新しい手術として取り組むべきであり、医療従事者向けの教育施設の確立も急務であると考えています。
当センターは、ロボット手術を指導する立場である認定プロクターが在籍しており、教育機関としてロボット手術の安全な普及のための活動も広げていきたいと考えています。
恵佑会札幌病院
ロボット・内視鏡外科センター長
北上 英彦
略歴:
- 北海道大学卒。
- 2017年5月より恵佑会外科部長
- 2020年3月より現職
- 日本外科学会指導医、日本消化器外科学会指導医、消化器がん外科治療認定医、日本救急医学会救急科専門医などのほか、日本内視鏡外科学会技術認定医をもつ。
- 日本ロボット外科学会 国内A級認定(2020年認定)・国際B級認定(2021年認定)。食道・胃共にプロクターの資格をもつ。
メディア情報:
WEBメディア:メディカルノートのインタビューから北上センター長のプロフィール詳細をご覧頂けます
最新情報
- 2022年8月よりロボット支援下結腸癌手術が保険適用で行えるようになりました
- 2023年12月北上センター長が日本ロボット外科学会国際A級認定を取得しました
- 2021年8月の病院移転に伴い、ロボット・内視鏡外科専用の手術室4室が新設されました
ロボット手術とは
①ロボット手術の特徴
ロボット手術を行うために使用するda Vinci surgical system(以下ダビンチ)は、製造販売会社のインテュイティブサージカル社が、低侵襲外科手術を目的として開発した手術支援ロボットで、現在世界中で最も普及し実臨床に使用されています。このダビンチはS,Si,X,Xiの4機種が世界各地で稼働しており、Xiが最新鋭の機種です。
ロボット手術、正確にはダビンチを用いたロボット支援下手術と言いますが、体の数か所に1センチ程度の切開を加え、そこから体内に内視鏡とロボットアームを挿入し、挿入した内視鏡カメラから映し出される鮮明な3D画像を見ながら、医師がアームを操作して行う手術です。内視鏡を用いての手術はこれまでも行われてきましたが、ダビンチを用いることで、従来の内視鏡手術では難しかった操作も可能になり、より緻密な手術が可能になりました。
※それぞれ北上センター長がWEBメディア”メディカルノート”で取材に答えています。
より分かりやすく解説していますので、こちらもご覧ください。
②ロボット手術のメリット
高画質の3D映像
術者が見たい場所を高画質の自然な3D映像で見ることができ、また必要に応じて拡大することもできるので、病変を肉眼で見る以上に鮮明にとらえることができます。
体への負担減(術後疼痛、手術侵襲の減少)
開腹手術と比べ、手術創が小さく、また出血量も少ない手術が可能になり,体への負担軽減が期待できます。
緻密な手技
ロボットアームの先端には、人の手と同じ動きが可能な多関節を持った「ロボットの手」がついており、術者の動きを正確に再現します。また、手振れ防止機能がついているため、人間の自然な手の震えをなくし、精密な操作が可能となっています。
北上センター長いわく、「自分が小さくなって患者さんの体内に入り込んで手術をしているような感覚で、さらに手がぶれることがないので非常に精度の高い手術が可能です。」
ロボット・内視鏡外科センターの特徴
①最新のダビンチXiを2台導入
当センターでは最新のダビンチXiを2台導入しています。ロボット手術の件数は増加傾向にありますが、2台のロボットを並行して使用することができ、また,ロボット専用手術室4部屋を使い、一日に複数のロボット手術を行うことが可能となっています。
②経験豊かなチームスタッフ
当センターの設立以前から、当院ではいち早く泌尿器科領域を中心にロボット手術を経験してまいりました。
ダビンチ Xiの前々世代であるダビンチSを2012年に導入し、これまでに多くの症例を積み重ねています。症例数は年々増加し、ダビンチ手術の実績は、2019年までで1500例を超えており、医師だけでなく、手術に関わるスタッフ(看護師や臨床工学技士など)も非常に経験が豊富です。当センターが誇るロボット手術チームスタッフが揃っています。
③教育施設としての役割
プロクター認定
プロクターとは、各領域において安全にロボット手術可能な十分な技量と経験を有し、かつ、経験の浅い医師に指導できる資格のことです。
症例見学施設
ロボット手術の術者になるには、各学会が提言する指針に則り、インテュイティブサージカル社が定めるトレーニングコース受講やCertification(修了証書)取得が必要です。Certificationはインテュイティブ社が公認する特定の施設で症例を見学し,研修を受けることで取得可能です。
当院は食道、胃の領域では「メンターサイト」に認定されており,認定見学施設の中でも特に当院での見学、研修が推奨されています。メンターサイトは日本に数施設しかなく,関東以北では当施設のみです。
当センターはロボット手術のハイボリュームセンターとしてだけでなく、プロクター在籍やメンターサイト認定により教育施設として、ロボット手術を新規導入する施設の医療スタッフの見学、研修を積極的に受け入れる体制を整備しています。
実績(前年度)
| 診療科 | 診療報酬名称 | 症例数 | 平均在院日数 |
|---|---|---|---|
| 外 科 | 胸腔鏡下食道悪性腫瘍手術(胸部、腹部の操作・手術用支援機器使用) | 5 | 23.8 |
| 外 科 | 胸腔鏡下食道悪性腫瘍手術(頸、胸、腹部操作・手術用支援機器使用) | 40 | 25.9 |
| 外 科 | 縦隔鏡下食道悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器使用) | 1 | 42.0 |
| 外 科 | 腹腔鏡下胃切除術 悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) | 67 | 16.0 |
| 外 科 | 腹腔鏡下胃全摘術 悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) | 12 | 18.6 |
| 外 科 | 腹腔鏡下肝切除術(1区域切除・外側区域切除を除・内視鏡支援機器) | 2 | 12.5 |
| 外 科 | 腹腔鏡下肝切除術(2区域切除)(内視鏡手術用支援機器) | 4 | 20.3 |
| 外 科 | 腹腔鏡下肝切除術(亜区域切除)(内視鏡手術用支援機器) | 6 | 15.2 |
| 外 科 | 腹腔鏡下肝切除術(部分切除)(単回切除)(内視鏡手術用支援機器) | 6 | 11.2 |
| 外 科 | 腹腔鏡下肝切除術(部分切除)(複数回切除・内視鏡手術用支援機器) | 2 | 11.0 |
| 外 科 | 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術(内視鏡手術用支援機器) | 69 | 13.6 |
| 外 科 | 腹腔鏡下直腸切除・切断術(切除術)(内視鏡手術用支援機器使用) | 48 | 18.4 |
| 外 科 | 腹腔鏡下直腸切除・切断術(超低位前方切除・内視鏡手術用支援機器) | 5 | 24.0 |
| 外 科 | 腹腔鏡下直腸切除・切断術(低位前方切除術・手術用支援機器使用) | 34 | 17.1 |
| 外 科 | 腹腔鏡下噴門側胃切除術 悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) | 13 | 18.2 |
| 外 科 | 腹腔鏡下噴門側胃切除術(単純切除術)(内視鏡手術用支援機器使用) | 1 | 19.0 |
| 外 科 | 腹腔鏡下膵体尾部腫瘍切除術(脾同時切除)(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) | 4 | 20.5 |
| 耳鼻科 | 鏡視下咽頭悪性腫瘍手術(軟口蓋悪性腫瘍手術含・内視鏡用支援機器) | 119 | 10.8 |
| 耳鼻科 | 鏡視下喉頭悪性腫瘍手術(切除)(内視鏡手術用支援機器) | 10 | 13.9 |
| 乳呼外 | 胸腔鏡下縦隔悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器使用) | 3 | 9.7 |
| 乳呼外 | 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除)(内視鏡手術用支援機器使用) | 33 | 10.2 |
| 乳呼外 | 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除、1肺葉超・手術用支援機器使用) | 50 | 12.4 |
| 乳呼外 | 胸腔鏡下良性縦隔腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器使用) | 4 | 7.8 |
| 泌尿器 | 腹腔鏡下腎悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) その他のもの | 1 | 10.0 |
| 泌尿器 | 腹腔鏡下腎悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) 原発病巣が7センチメートル以下のもの | 9 | 10.1 |
| 泌尿器 | 腹腔鏡下腎盂形成手術(内視鏡手術用支援機器使用) | 1 | 7.0 |
| 泌尿器 | 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) | 33 | 12.1 |
| 泌尿器 | 腹腔鏡下尿管悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) | 3 | 10.7 |
| 泌尿器 | 腹腔鏡下膀胱悪性腫瘍手術(回腸等導管利用尿路変更あり・内視鏡手術用支援機器を用いるもの) | 3 | 28.3 |



