消化器外科
肝胆膵外科
ご挨拶 (外科部長 森本守)
北海道の皆様、初めまして。2025年4月より恵佑会札幌病院に赴任いたしました森本守と申します。肝胆膵外科、特に低侵襲手術を専門としています。
自己紹介
本題に入る前に、少し私の自己紹介をさせて頂きます。私は2001年に名古屋市立大学を卒業後、いくつかの関連病院に赴任し、消化器外科一般、特に内視鏡外科の研鑽を積み2008年に日本内視鏡外科学会が認定する「技術認定医」を取得いたしました。さらに2009年より愛知県がんセンター中央病院において専門的ながん診療に従事したのち、2013年に名古屋市立大学消化器外科へ帰局。大学院では抗がん剤に耐性を持つ膵癌の研究に従事し2015年に学位を取得いたしました。その後は肝胆膵外科の診療に従事し、2017年に日本肝胆膵外科学会が認定する「高度技能専門医」を取得しています。

肝胆膵外科とは
肝胆膵外科医とは肝臓・胆道・膵臓に発生した腫瘍などの不具合を、主に外科的治療で治す医師のことです。この領域の手術は解剖学的、腫瘍の生物学的理由から特に難易度が高いとされ、繊細な技術が要求されます。そして、ほんの少しのミスでも大きな合併症を引き起こすリスクが高いとされています。これまで、開腹手術ではありますが血管合併切除を伴うような大手術(図1)も行なっており、安定した成績をおさめています。

ロボット手術のこれまでの取り組み
2019年から全国に先駆けてロボット手術を導入し、以降積極的に取り組んでいます(図2)。

関節機能を持つ手ブレのない安定した鉗子操作と、肉眼よりも詳細に見える優れた視覚をもつロボットは、これまで以上の質の高い手術を提供できると考えています(図3, 4)。

これまで約300例程度のロボットを用いた肝胆膵外科手術に携わってきました(図5A)。肝切除はおよそ90%、膵体尾部切除は100%、膵頭十二指腸切除はおよそ50%程度をロボット手術で行っています(図5B)。肝胆膵外科手術における全てのロボット手術の“プロクター”(指導医)に選出されており、北は北海道、南は九州まで全国の施設に伺い、ロボット手術の指導を行なってきました。

現在の取り組みについて
まだ保険適応となっていない高難度手術に対するロボット手術の導入にも臨床研究として取り組んできました。肝門部領域胆管癌や血管合併切除を伴う膵頭十二指腸切除術など、複雑かつ繊細な操作を伴う手術こそロボット手術の真骨頂であり(図6, 7)、患者さんにも多くの恩恵を受けて頂けると考えています。ロボットにはこれまでの手術を一新するだけのポテンシャルがあり、開腹手術や腹腔鏡下手術をはるかに凌駕する手術を実現するための非常に優れたツールで、今後手術アプローチの第一選択になるであろうと考えます。

最後に
1, 安全・安心な治療
まずは患者さんに安全・安心な治療を提供することが最も重要です。患者さんの状態に応じて、最も適切な治療を提供します。
2, 諦めない治療
肝胆膵領域の悪性疾患は周囲へ進展しやすく、時として浸潤していることもあります。これまで培った様々な技術を駆使し、決して諦めない手術を提供します。
3, 最新の知見に基づいた最新の治療
近年の医療技術の向上は日進月歩です。常にロボット手術を含めた最新の知見と技術を取り入れ、それらを患者さんに提供していきます。
新たに立ち上がった恵佑会札幌病院の肝胆膵外科ですが、何卒よろしくお願いいたします。
そして肝胆膵疾患についてどんな些細なことでも結構ですのでお気軽にご相談ください。
医師プロフィール
森本 守 外科部長
略歴
- 2001年(平成13年)3月 名古屋市立大学医学部卒業
- 2009年(平成21年)4月 愛知県がんセンター中央病院消化器外科
- 2011年(平成23年)4月 刈谷豊田総合病院 内視鏡外科 医長
- 2013年(平成25年)4月 名古屋市立大学大学院医学研究科 消化器外科
- 2020年(令和2年)4月 名古屋市立大学大学院医学研究科 消化器外科 講師
- 2025年(令和7年)4月 恵佑会札幌病院 消化器外科 部長
専門医
- 日本外科学会 専門医 指導医
- 日本消化器外科学会 専門医 指導医 消化器がん外科治療認定医
- 日本内視鏡外科学会技術認定医(腹腔鏡下胃切除)(2008年取得)
- 日本肝胆膵外科学会高度技能専門医(2017年取得)、評議員
- 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
- Certificate of daVinci console surgeon
- ロボット支援手術プロクター:膵頭十二指腸切除・膵体尾部切除・肝亜区域切除以上
- 肝臓内視鏡外科研究会 ロボット肝切除委員会 委員
- 日本肝胆膵外科学会 技術認定委員
賞罰
- 2017年 名古屋肝疾患研究会 優秀演題賞
- 2017年 第25回JDDW 優秀ポスター賞
- 2017年 第30回 日本内視鏡外科学会 優秀ポスター賞
- 2021年 第15回 肝臓内視鏡外科研究会 優秀演題賞
- 2023年 第17回 肝臓内視鏡外科研究会 Video award
- 2024年 第16回 日本ロボット外科学会 優秀演題賞
- 2024年 第124回 日本外科学会 優秀ビデオ賞
- 2024年 第32回 JDDW 優秀演題賞
執筆
- 名市大ロボット消化器外科手術のすべて 2022年 南江堂
- 【ロボット支援肝胆膵外科手術における手術デバイスの選択とその使い方】ロボット支援膵頭十二指腸切除術 SMA first approachにおけるバイポーラカットの使い方(解説) 手術 (2024.8)
- 【肝癌治療2024】肝細胞癌に対するロボット支援解剖学的肝切除術(解説)消化器外科 (2024.9)
- 【ロボット支援手術-標準治療としてのさらなる普及を目指して-】消化器外科領域のロボット支援手術 肝臓切除術 ロボット支援高難度肝切除(解説) 日本臨床 (2024.01)
- 【必携 ロボット支援下消化器外科手術-基本手技とトラブルシューティング】肝胆膵領域 低~中悪性腫瘍に対する微細解剖に沿ったロボット支援膵体尾部切除の手術手技(解説) 手術 (2023.07)
- 【最新の膵癌診療】ロボット支援下膵体尾部切除術 左腎静脈先行アプローチの有用性(解説). 消化器外科 (2023.05)
- 【進化する肝臓外科-高難度腹腔鏡下手術からロボット支援下手術の導入まで】ロボット肝切除の導入と未来 ロボット肝部分切除・外側区域切除(解説). 臨床外科(2023.03)

