vol.29 理事長ごあいさつ 鈴木康弘 社会医療法人恵佑会 理事長
社会医療法人恵佑会
理事長 鈴木 康弘
新年明けましておめでとうございます。
皆様におかれましてはつつがなく新しい年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
恵佑会も新しい年を迎えることができましたことに、職員の皆さん、その家族、日頃お世話になっております医療機関、関連業者の皆様に心より感謝申し上げます。
昨年は新型コロナウイルス感染症で医療界をはじめ世界中が大きな打撃を受けています。恵佑会は、何とか影響を最小限に留めるべく最大限の努力をして参りました。ご尽力、ご協力いただきました皆様にはこの場をお借りしてあらためて御礼を申し上げます。
一方で、新型コロナウイルス感染症で多大な影響を受けた方々にはご心痛をお察し致します。
新型コロナウイルス感染症は人類史上まれにみるpandemicとして歴史に残り、また、この経験は今後の世界の在り方を大きく変えると言われています。
新型コロナウイルス感染症により世界中の国が巨大債務を負う中、さらに格差問題・人種問題、サプライチェーンの在り方、不均衡貿易、協調か覇権主義かなど様々な問題で我々を取り巻く環境はますます予断を許さない状況が続くと思われます。
これまで通りのやり方では通用しない世界へ転換する前触れと考えなければなりません。
医療界にも変化が求められ、今後の病院・医療者の在り方の再検討が早急に必要かと思われます。
今年は当院にとって節目の年にあたります。
一つは創立40周年、もう一つは札幌病院の新病院移転事業です。40年前に細川会長が恵佑会を立ち上げました。
当時の札幌では多くの医療機関が開院しました。
第1次医療法改正(1985年成立)で医療圏内の必要病床数の規制が行われる前に、いわゆる駆け込み増床、病院設立がなされたのです。時がたって、その後多くの病院が変容する中で、当院は設立当初より「がんを中心にした医療」を継続し、発展して参りました 。
医療界ではまれにみる偉業ではないかと思っています。そこには並々ならぬ苦労があってこそ「現在の恵佑会があるのだ」と肝に銘じております。
私たちはこの歴史ある恵佑会という組織を基盤にし、がん医療を提供していることを忘れてはいけません。
次の10年、20年後を見据えて、何をすべきなのか、何が必要になるのかをいつも考え、この重要な転換期を乗り越えていきたいと考えています。
今後、がんの早期発見、検診、診断の在り方、ロボット手術を基盤にしてさらに質の高い低侵襲手術へ、先進的ながん治療の構築、終末期治療の充実など次々と新しい技術革新が出てきます。
わくわくする時代がやってくるのです。私たちは率先してこれらを取り入れる能力を養っておかねばなりませんし、それを支える財務基盤を持っている必要があります。
次の時代を切り開き、発展させるためには、職員の皆さんのご協力があればこそ実現するものと信じております。
それには先を見据えながら、まずは目の前の課題にひとつひとつ着実に取り組んでいきましょう。
新病院ではこれまでにない働きやすい環境を目指しています。中でも職員休憩室などは眺望もよくリフレッシュするには最適な環境になるだろうと思います。新病院を上手に運用することで、より良い病院へ育てていけると信じています。
どうか職員の皆さん、今年も一緒に頑張りましょう。よろしくお願いします。
院外の皆様には、今後とも私たちは「がんを中心としたより良い医療」を目指し、地域住民のために精一杯努力して参る所存です。今後ともご指導ご高配の程よろしくお願い申し上げます。
最後になりますが、新しい年が更に良い年になるよう祈念致しまして、私の新年の挨拶とさせていただきます。